ベルリンのホテルとクレジットカード現金化
もう10年以上前のことだ。ベルリンを商用で訪れた。
既にベルリンは3度目であったが旧東ベルリン側に位置するその区域は初めてだった。
着いてすぐに取引先から紹介されたホテルにチェックインした。
日本で言えば地方都市の駅前にでもありそうな個性の無い、
気をつけて探さなければ入り口も見落としてしまいそうなこじんまりとしたホテルだった。
ヨーロッパではフロントのことをレセプションと言うが、
そこのセレプションは映画館のチケットブース程度の手狭なカウンターで、
20代後半くらいの女性が一人で待機していた。
こういうホテルでは必ずパスポートと共にクレジットカード現金化の呈示を求められる。
私が差し出した1枚のクレジットカード 現金化を彼女はとても珍しそうに見つめた。
「とてもきれいなクレジットカード 現金化だわ。
こんなにしゃれたデザインのカードは初めて見ました。
」と彼女は流暢な英語で言った。言われるまではそんなことを考えたことはなかったので、
逆に私の方が興味にかられて自分のクレジットカードにあらためて見入った。
モダンなデザインで一面に繊細なレースの様な、
植物のシルエットが入っている、アラベスク模様というかウィリアムモリスの壁紙のようでもある。
その模様の上には銀色でさらに繊細なラインが描かれている。
たしかにきれいだ。その瞬間私にはこのクレジットカードが機能を越えて、
なにかおしゃれな小物のように思えた。